【丸に片喰】
**片喰紋 抜粋**
繁殖力の強みが武家好み
ハート形の葉がクローバーに似ている雑草で、庭や道端でよく見かける。三小葉からなり、夜は閉じる。片葉が三つあるのでカタバミ(片喰)という。シュウ酸を含むため全体に酸味があり、一名スイモノグサといい酢漿草の字を当てる。酢は「す・サク」とも読み、漿は糸を引いてたれる液の意で、すっぱい液を表す。酢漿草は「そしょうそう」と読むのが正しい。
その形が単純明快ですわりがよく、しかも繁殖力が旺盛なので子孫繁栄の祈りをこめ、多くの家で使われるようになった。現在でも藤、木瓜に次ぐ人気をもつポピュラーな家紋。
家紋のパターンとしては、正面から見たままの三葉を写実的に描き、中心部に葉脈を鋭く剣先で切り込んだ形が基本となっている。三葉と葉脈の関係に変化を出したもの、葉の間に剣や蔓を加えたものや、葉の数によっていろいろなバリエーションがある。
室町期から武家紋として登場、新田、長曽我部、宇喜多、肥田、平尾の諸氏、江戸時代には、酒井、森川の大名、旗本ひょく六十余家に及び、桐紋についで多用された
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