【丸に違い矢】
**弓・矢紋 抜粋**
”弓矢とり”は武勇の表象
弓矢の歴史はきわめて古い。鳥獣捕獲と戦場の武器として各民族が利用してきた。
日本では、”弓矢とり”は武士を意味し、神事の破魔矢、流鏑馬から相撲の弓取式にいたるまで、さまざまな形で続いてきた習慣や行事も、長い歴史をもっている。
これが家紋として用いられた第一の理由は、なんといっても尚武の精神により。武士が弓矢を持って武勇のシンボルとしてことは当然であり、さらに悪魔を射て退散させる意味もかねた。また、これを作る弓師たちも自分の作品に誇りと自信をもっていたに違いない。
弓・矢紋は、ふつう弓紋と矢紋に分けるが、弓矢で一つの紋をなしている弓矢紋もある。が、矢紋の方が断然多く、変化に富んでいる。矢紋はさらに、矢、矢羽、矢尻、矢筈の種類がある。
矢の全形をかたどった矢紋には、違い、束ね、並びのパターンがあり、とくに羽の部分だけを紋にしたのが矢羽紋。これが整然と図案化された”矢車”が有名。矢尻は、”矢先”、矢筈は弦につがえる矢のへこんだ部分をさす。矢車紋は服部氏の代表家紋。
コメント