【丸に木瓜】
**木瓜紋 抜粋**
日本人の美的感性を示す造形美
デザイン的な美しさから見て、世界にも類例のないほど洗練された造形美だといってよい。
モチーフはもちろん花そのもの。優美な花のイメージを唐様に描いた”唐花菱”を中心に据え、それを環状の丸ワクで囲み、さらに太い外ワクでしっかりと包む。それぞれの曲線美が、楕円を気温とする全体のプロポーションによく調和し、均整のとれた華麗さを冷静に定着させている。
この見事なデザインに、日本人の繊細な美的感性と情感が凝集し、大輪の花を咲かせている。
木瓜は、御簾の帽額、地上にある鳥の巣、木香バラ、木瓜(胡瓜)の切り口など、その由来については諸説紛紛だが、要はこの完成された造形の美しさを、素直に観賞すればよい。自然にみれば、唐花のバリエーションであることに気付く。従って、唐様が幅をきかせた奈良時代からの、当時としてはエキゾチックな花模様が、日本人の美的センスに触れ、さらに磨かれて紋章化してきたものと見てよい。使用家は全国的に分布し、藤紋についで第2位の人気。
公家では大徳寺、武家では朝倉、織田、堀田、有馬の諸氏が有名。
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