【丸に抱茗荷】
**茗荷紋 抜粋**
神仏の”冥加”に通じる縁起よさ
ミョウガは、ショウガ科の多年草で、野菜として栽培される。仮茎は1メートルにもなり、夏に根元から楕円形の短い花穂が出て、赤紫色の肉質の包片をつける。その間から小さい淡黄の花を咲かせる。この花穂を”ミョウガの子”と呼び、刺身のツマや汁の実、つけ物にも利用する。食欲をそそる芳香から「芽香」(めか)と称し、それが転じてミョウガになまったものとされる。
茗荷紋は”冥加”、つまり目に見えぬ神仏の助力、加護に通じるところから、縁起のよさを祝って生まれた紋で、魔陀羅神の神紋ともされ、その信仰的な意味も加わっている。
筍状の包片は力強く丸形にまとめたものが基本形で、その先に花穂をあしらったものが多い。抱き茗荷を中心に、多様なバリエーションがあるが、いずれも、杏葉(馬具の飾り)紋と酷似しているので、よく混同される。その違いは、葉脈とか葉片の下部に花糸状のものがついているかどうかといった、ささいな点であり、とくに変形においてはこれらの相違を識別することもむずかしい。このため鍋島茗荷なども、本来は杏葉であるのに茗荷で通っている。
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